あやうさを生きる【再掲】
この世界には、何一つ、
確実なものというのはないのですが、
それを分かっていながらも、私達は、
確実なものを求めようとしてしまいます。
自分自身が不安定で、頼れない存在であると、
思い込んでしまうからこそ、
確実な別の何かを頼ろうとするのですが、
それが結果として、
依存心を高め、
自分の生きる力そのものを失わせてしまう
ことにもなるのです。
全ての物事は、
常に変化するものであって、
不安定であり、危ういものです。
しかしながら、それでも尚、
そこに確かなものがあることを期待し、
そこにすがろうとすることによって、
却って、
自分自身を信頼することが出来なくなり、
不安になってしまうのです。
そもそも、
私達は、
不安定な世界を生きているのですから、
不安定なことであることを受け入れ、
不安定な流れに身を任せてしまうことが必要なのです。
確実なものを求めて、もがけばもがくほど、
不安は増すばかり。
不安定であることを受け入れ、
それを信頼することでしか、
不安を払拭することは出来ないのです。
私達自身も、確かに、
不安定な存在なのかもしれませんが、
それでも尚、
この不安定な世界を生きてきたわけなのですから、
誰もが、
この不安定な世界を生きる力を持っているのです。
不安定な自分、危うい自分、
ではありますが、
誰よりもそれを信頼するべきは、自分自身なのです。