何も持たない生き方【再掲】
『人は何も持たずに生まれ、何も持たずに死ぬ』
私達は、これまでに、
数多くの知識や技術を身に付け、
人間関係を構築してきました。
これらの目的を一言で言うと、
生きるため、
ということに集約されてしまうのですが、
冒頭にもある通り、
私達は、誰もが、
何も持たない状態で生まれてきて、
いずれ、この世を去る時も同じように、
何も持つことはありません。
つまり、はじめから、
何も持っていない、ということなのです。
ところで、私達は、
何かことに当たる時には、常に、
何かの準備や前知識、先入観を持っていくことが、
いわば当然のこととなっています。
しかしながら、
それらを持ってしまったことによって、逆に、
正しい判断を見誤ってしまった、
というのは、よくある話だと思いますが、
本当に重要で、大切なことを見ようとしたら、
前例や先入観ほど不要なものはなく、
結果的に、
判断を見誤る、ということになるのです。
何かを持つということは、ある意味、
それにすがったり、依存してしまう、
ということなのです。
本当に頼るべきは、
自分自身であり、自分の感覚そのものなのですが、
私達の周りには、
余りにも余計なものばかりに囲まれてしまっていて、
これに頼ろうとすることで、
判断に迷い、よく分からなくなってしまうのです。
私達には、
自分の身以外に必要なものは何もなく、
あえて、何も知らずに、
あえて、何も見ないで、
ことに挑む、ということも必要なのです。
無駄な部分を全て削ぎ落とさなければ、
大事なことはよく見ることが出来ないのです。
何も持たないことの必要性を、
私達はもっと知る必要があるのです。