哲学的思考~Philosophical Thinking

~よりよく生きるために、自分自身を見つめ直す~

ニュートラル

 
誰でも、一度は、
今までの人生をなかったことにして、
最初からやり直したい、
 
という思いをしたことがあるのではないかと思います。
 
 
 
私達は、
これまでの人生において、様々な経験を記憶し、
その記憶をひきずりながら、今を生きています。
 
 
 
この記憶とは、
自分の脳にため込まれた、無数の情報の集積。
 
 
 
この情報は、
自分の思考や解釈というフィルター
にかけられており、
 
 
その内容が、
正しいのか誤っているのかどうかは、
一切、関係なく、
 
 
自分の中で、
プラスにもマイナスにも働きかけるのです。
 
 
 
 
特に問題なのは、
 
その過去の記憶に囚われて、
 
自分自身に対して、マイナスの影響を
創り出してしまっていることにあるのです。
 
 
 
例えば、
過去に、よい出来事があったが故に、
その思いに囚われて、
 
 
それを今でも、
同じように再現しようとしたり、
 
過去を真似るばかりで、
別の異なる可能性を閉ざしてしまうことがあるのです。
 
 
 
 
 
総じて、
過去の自分と同じように生きようとするから、
 
息苦しさを感じたり、
生きるのが苦しくなるのです。
 
 
 
過去の自分と今の自分というのは、
似て非なるもので、異なる存在なのです。
 
 
 
それにもかかわらず、
 
 
過去の自分のままに生きようとし、
過去の自分を引きずってしまうから、
 
 
見えるものが見えなくなってしまったり、
同じ過ちを繰り返したりするのです。
 
 
 
 
 
誰しも、生まれた時は、
自由でニュートラルな存在だったはずです。
 
 
 
そこから時を経て、
人生を経験していく中で、
 
 
様々なことを記憶し、
それが自分の生き方だと認識していくのですが、
 
 
その生き方は、
過去の自分が、その時たまたま選択したものであって、
 
 
今の自分が、
その過去を踏襲する必要は全くないのです。
 
 
 
 
私達は、
自由でニュートラルな存在なのですから、
 
 
もう一度、
本来の自分に立ち帰るのです。
 
 
 
 
拘るべきは、
過去の自分ではなく、本来の自分なのです。
 
 
 
そのことを
私達は忘れてしまっているだけなのですから、
 
いつでも思い出して、
 
何度でもニュートラルな自分に戻ればいいのです。