異なる世界の住人
私達は、
言葉を媒体にして、意思の疎通を図ります。
それは、
メール等の文字の情報だったり、
会話での音声の情報だったりなのですが、
その際に、
発信する側が、
何かを伝えようとしても、
受け取る側は、
そのまま受け取るのではなく、
自分の解釈を無意識に挟みながら、
受け取ろうとします。
いわば、
発信者に対して、
耳を傾けているのではなく、
自分自身に対して、
耳を傾けているのです。
自分の解釈は、
思考パターンや性格、経験から成るもので、
一人一人全く異なります。
それぞれが異なる世界に住んでいる、
とも言えるのですが、
それでも、
この社会をうまく形成しているのには、
お互いに協調したり、
共感することが出来ているからでもあるのです。
とはいえ、
そもそもが、
異なる世界にいるのだから、
他人の考え方が理解出来ない、というのも、
当然といえば当然で、
同じように解釈をすること自体、
とても難しいことなのです。
自分以外の他人が、
自分と同じ世界を生きていると思うからこそ、
期待をしたり、腹が立ったりするわけで、
異なる世界の中で、
自分とは異なる解釈をしているものと思っていれば、
自分とは違うということが、
当たり前であり、
人間関係を作るにあたっては、
このことが、常に前提となるのです。
私達は、
誰もが別々の異なる世界にいるのです。
人間関係とは、
自分とは必ず異なる、
という事からスタートするのです。