「近く」て「手に届く」もの
私事ですが、
今の住まいに越してきて、一年余りが過ぎました。
この場所が、
昔から好きだったのと、
たまたまタイミングもあったのもあって、
移り住んできたわけなのですが、
地元の人間になったからといって、
この地のことをもっとよく知るようになった、
というと、
決してそのようなわけでもなく、
逆に、
近いが故に、
いつでも行こうと思えば行けるし、
知ろうとすれば、いつでも知ることが出来る
と、
自分で自分に言い訳をしてしまっているのです。
このことは、この件に限らず、
「近すぎて、見えなくなってしまっている」
「すぐに手に入るから、行動に移さない」
ということで、
日常の様々なところで
普通に起きていることでもあるのです。
私達は、どうしても、
「手に入りにくい」もの、
「遠くにある」もの、
に目を向けがちです。
実のところ、
今の私達の身の回りにも、
数多くの素晴らしいものや、貴重なものがあるのですが、
その存在に気が付いているかというと、
そうでないことの方が多いのかもしれません。
「近く」て、
「手に届く」ところにいるが故に、
それに気づくことなく、
見落としてしまうのです。
そして、
「遠く」に離れさえすれば、
残念なことに、
それにまた気づくことが出来るのかもしれません。